病気やケガでの入院、療養中にお見舞いをいただいた方へ、お礼の気持ちや退院の報告も込めてお返しをする「快気祝い」。

「快気内祝い」、「全快祝い」という言葉との使い分けや、相場やタイミングなど、覚えておきたい、気をつけたいポイントもあわせてご紹介します。

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もくじ

1.快気祝い、快気内祝い、全快祝いの違い
2.快気祝いを贈るマナー｜時期やのしの書き方、水引の選び方
　2-1　快気祝いののしと表書き
　2-2　快気祝いの水引は「結び切り」
　2-3　快気祝いを贈る時期
3.快気祝いギフトの相場は2分の1から3分の1。メッセージカードの例文も
　3-1　快気祝いには「消えもの」がおすすめ
　3-2　お見舞いのお礼や快気祝いの報告にメッセージを添えて
4.快気祝いには相手の健康も願うギフトセットも

1. 快気祝い、快気内祝い、全快祝いの違い

まずは「快気祝い」と「快気内祝い」、「全快祝い」の違いを押さえておきましょう。

本来、病気やケガで療養中の人や入院していた人がお見舞い頂いた方へお返しをするという点は「快気祝い」も「快気内祝い」も「全快祝い」もすべて共通しています。

「快気祝い」「快気内祝い」「全快祝い」は、それぞれこのような意味や状況にあわせて使い分けます。

	【意味】	【病気の状態】
全快祝い	病気やケガが完全に治り、全快の報告や挨拶を込めて贈る	完治している
快気祝い	病気やケガがある程度治ったり退院したりしたときに、お見舞いへの感謝やお礼を込めて贈る	ほとんど治っている
快気内祝い	入院していた人が退院したが病気やケガはまだ治っておらず通院や治療が必要なときに、まずお見舞いへの感謝やお礼を伝えたいとき贈る	まだ治っていない

病気やケガがほとんど治っていたり完治していたりするなら、「快気祝い」や「全快祝い」を贈るのが正しいですね。

まだ治っていないけれど一旦退院し、お見舞いへのお礼をしておきたいときには「快気内祝い」を贈りましょう。

お見舞いをいただいたのち、残念ながら回復の途に至らなかった場合は、基本的にお返しは不要とされます。しかし、どうしても感謝のお気持ちをお伝えになりたいときは「御見舞御礼」の名目を選びます。

このとき、「御見舞御礼」ののしや水引は弔事包装とします。

2. 快気祝いを贈るマナー｜時期やのしの書き方、水引の選び方

お見舞いへのお返しを贈る際、のしや表書きはどうしたらよいのでしょうか。

一般的な快気祝いのマナーと注意したいポイントを押さえておきましょう。

2-1 快気祝いののしと表書き

基本的に快気祝いとして用意した贈り物には包装紙にのしをつけ、表書きに名目と療養していた人の名前を書いて渡します。

名目が「快気祝い」や「全快祝い」の場合は「嬉しいこと」を「盛大に」お祝いする意を込めて「外のし」がよいでしょう。「快気内祝い」は内輪でささやかに祝うので、「内のし」として、のしの上から包装紙でお包みします。

しかし、今は宅配便などで快気祝いを贈ることも多いので、配送中にのしが破れるのを防ぐために、名目に関わらず「内のし」で贈っても問題ありません。

のしに「快気祝い」など名目を書いたあとは、下にお見舞いを受け取った人、つまり病気やケガで治療していた本人の名前を書きます。このとき、結婚内祝いや出産内祝いのようにフルネームで書くのではなく、苗字だけを書くのがオーソドックスです。

2-2 快気祝いの水引は「結び切り」

快気祝いののしに表書きを書いたら、水引をつける必要があります。

水引はあらかじめのしにプリントされている場合もありますが、実際に水引をつける際も共通して、避けるべき結び目があることも覚えておきましょう。

快気祝いや全快祝いなど、二度と繰り返してほしくないお祝いごとの際には、「結び切り」と呼ばれる種類の水引を使います。結婚祝いなどの婚礼関係のお祝いにも、一度切りの願いを込めて「結び切り」の水引が使われますね。

快気祝いなどの場合は「紅白5本結び切り」の水引を使うのが定番ですよ。

病気やケガはとくに縁起も大切にしたいことでもありますので、のしにつける水引も正しいものを選びましょう。

2-3 快気祝いを贈る時期

快気祝いを贈る時期もお見舞いを受け取った人の状況や病気の程度によって変わりますので、一般的な目安として把握しておきましょう。

	贈るタイミング
全快祝い	病気やケガが完治してから10日後～1か月
快気祝い	退院してから10日後～1か月
快気内祝い

「快気祝い」と「快気内祝い」は退院してから、「全快祝い」は完全に病状やケガが治ったとされてから、それぞれ1か月以内を目処に贈ります。

しかし、実際には退院しても身体が回復し、落ち着いてからでなければお返しを用意できませんし、逆に入院中であってもケガなどが完治しているなら全快祝いを贈ってしまっても構いません。

まずは療養中の方を一番に考え、無理のない範囲で用意することが、「御見舞」を贈った方にとっても嬉しいことではないでしょうか。

また、慌てて「快気祝い」を用意するよりは、退院後しばらく様子を見て、完全に体調が戻ったりケガの治りが良好だとわかったりしてから、もう心配ないことを報告し感謝する「全快祝い」を贈ったほうが、贈られた方も良い報告がもらえて安心されるかもしれません。

3. 快気祝いギフトの相場は2分の1から3分の1。メッセージカードの例文も

快気祝いを贈る際に、何を選べばいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。

快気祝いのギフトとしてどれくらいのものを贈ればいいのか、一般的な相場などをみながら予算の目安をつけておきましょう。

快気祝いの相場としては、「御見舞」としていただいた額やプレゼントから2分の1～3分の1相当を目安にします。たとえば、5,000円を「御見舞」として現金でいただいたら2,500円前後のものを、3,000円ほどでいただいたら1,500円前後でお返しを考えます。

ただし、御見舞で現金をいただいたとしても、快気祝いとして贈るものとして明らかに金額がわかる現金や金券は避けます。とくに目上の方に現金をお返しするのは失礼にあたります。

3-1 快気祝いには「消えもの」がおすすめ

快気祝いの贈り物として良いとされているのが、「消えもの」と呼ばれる食品や洗剤です。

快気祝いは病気やケガが「なくなった」ことを祝うおすそ分けですから、贈った後にすぐになくなるもの、食べてしまったり使ってしまったりしやすいものが好ましいとされています。

定番として挙げられる果物やお菓子などのスイーツ、すぐに使える調味料などの詰め合わせはどんな方にも喜ばれるのでおすすめです。

病気やケガを「流す」という意味で、洗剤や石鹸、入浴剤のセットもよく選ばれています。

タオルも「消えもの」として快気祝いの定番です。最近では国内産タオルとして人気の「今治タオル」も「いま、なおる」と読める事から、快気祝いに贈る人が多いそうです。

また、入院中に職場の方などからまとめてお見舞いをいただいたときは、1人あたりの金額に換算してプチギフトとして個別にお返しするか、全員にいきわたるような個包装されたお菓子や飲みものの詰め合わせなどを贈るのが良いでしょう。

3-2 お見舞いのお礼や快気祝いの報告にメッセージを添えて

快気祝いを贈るときには、お見舞いに来ていただいたことへの感謝の気持ちや、退院や回復、全快をしっかりと報告するためのメッセージなどを書いたカードを、できればご自身の無理のない範囲で添えてみませんか。

簡単なメッセージやひとことで構いません。

ささやかながら、上司などの目上の方、親しい友人などに感謝を込めたお礼のメッセージを書くポイントや、例文もご紹介します。

ご自身のお言葉が一番ですが、快気祝いに添えるにあたって、例文では３つのポイントを押さえました。

■ ご心配や迷惑をかけたことへのお詫びの気持ちをお伝えする
■ お見舞いをいただいたことへの感謝をお伝えする
■ ご自身の言葉で現状をお伝えする

たとえば、職場の上司に向けた快気祝いの例文はこちらです。

親しいご友人やご親戚には、このようなメッセージはいかがでしょうか。

元気になったことや退院できたことを伝え、感謝の気持ちを綴ると、形ばかりではなく先様にも想いが伝わるギフトになることでしょう。

ただし、「またまた」や「たびたび」、「重ねがさね」など同じ言葉を繰り返すのは、病気やけがを「繰り返す」ことを連想させるとして「忌み言葉（タブー）」とされます。

4. 快気祝いには相手の健康も願うギフトセットも

快気祝いはご自身の退院や全快を報告する意味で贈るもの。相場はお見舞いを頂いた額の2分の1から3分の1の金額のお品が適切とされます。お菓子は定番ですが、甘いものが苦手な方もいらっしゃることでしょう。そんなときは、先様の健康への願いを込めたギフトはいかがでしょうか。

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