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2021.12.07
麹(こうじ)とは?糀との違い・作り方・期待できる効果など秘密を解説
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麹(こうじ)とは?糀との違い・作り方・期待できる効果など秘密を解説

日本の食文化からは切っても切れない麹(こうじ)。

麹(こうじ)は、味噌・醤油など私たちが毎日口にしている調味料や、甘酒・日本酒などの発酵食品などに使われており、誰でも一度はお世話になっているものです。

しかし、いくら馴染みがあると言っても、麹(こうじ)がどのように作られ、どうやって活用されているのか知っている人は少ないでしょう。

そこで今回は、麹(こうじ)がどんなものなのかを解説し、「作り方」「期待できる効果」「おすすめの麹(こうじ)商品」などをご紹介します。ぜひ、最後までご覧ください!

もくじ

1.麹と糀の違い

2.麹(こうじ)とは

2-1.麹菌の種類

2-2.麹(こうじ)の種類

2-3.麹(こうじ)の作り方

3.麹(こうじ)で期待できる健康効果について

3-1.腸内環境を整えてダイエットや免疫をサポート

3-2.お肌に嬉しいビタミンB群を摂取可能

3-3.酵素摂取で消化を助ける

4.乾燥糀を使って塩糀・甘酒・味噌を作ってみよう!

4-1. 乾燥糀とは

4-2.乾燥糀でお手製調味料作りにチャレンジ

4-3.麹(こうじ)はこんな人におすすめ

5. まとめ

1.麹と糀の違い

麹(こうじ)について解説する前に、「麹」と「糀」の漢字表記が違う理由についてお話します。結論からお話しすると、「麹」と「糀」の違いは、日本で作られた漢字かそうでないかの一点のみ。

麦が使われている「麹」は、中国から来た漢字であり、蒸した穀物を手でボール状に丸めてその表面にコウジカビが繁殖する様子を表したものです。一方、米が使われている「糀」は日本で作られた国字。米にコウジカビが繁殖する際、花が咲くように生える様子を漢字に表したものとなります。

漢字の成り立ちに違いがありますが、どちらも同じ「こうじ」を表わしていることに変わりなく、意味はどちらも一緒です。

2.麹(こうじ)とは

麹(こうじ)とは、米・麦・大豆などの穀物にコウジカビを繁殖させたもののことです。繁殖させる菌には複数の種類が存在し、また原料によってできる麹の種類も異なります。

そこでまずは、麹(こうじ)の知識を深めていくために、「麹菌の種類」「麹(こうじ)の種類」「麹(こうじ)の作り方」について解説します。

2-1. 麹菌の種類

麹菌の種類は大きく分けて5種類。「黄麹菌」「白麹菌」「黒麹菌」「紅麹菌」「カツオブシ菌」に分類されます。それぞれの特徴は下記の通りです。

黄麹菌:胞子の色は、黄・黄緑・黄褐色。味噌・醤油・清酒の製造に使用。
白麹菌:胞子の色は褐色・茶色。焼酎などの製造に使用。
黒麹菌:胞子の色は黒褐色。泡盛などの製造に使用。
紅麹菌:胞子の色は紅色。豆腐よう・紅鮭・老酒の製造に使用。
カツオブシ菌:鰹節の製造に使用。鰹節の製造過程を経て、鰹の内部に残った水分を吸収。油脂を分解したり、旨味を引き出す働きを持つ。

それぞれの菌の違いは色だけでなく、活用先にも違いがあります。黄麹菌は味噌や醤油に使われ、白麹菌は焼酎に使われるなど、用途はさまざま。

私たちが味噌や醤油を口にするときは「麹菌を摂取している」と意識することは少ないですが、こんなにも身近に溢れています。

2-2. 麹(こうじ)の種類

麹(こうじ)は原料によって種類が異なり、主に3種類存在します。

  • 米麹(米糀)・・・米を原料として作られる
  • 麦麹・・・麦を原料として作られる
  • 豆麹・・・大豆を原料として作られる

米麹は「日本酒」「甘酒」「米味噌」「みりん」「酢」など、私たちが普段から馴染みのある食品に使われています。また、麦麹は麦味噌や焼酎などの原料として。そして、豆麹は豆味噌の原料として使われています。

どれも一度は口にしたことがあるのではないでしょうか?日本食の多くには麹(こうじ)が使われており、小さな頃からお世話になっています。

2-3. 麹(こうじ)の作り方

麹菌を繁殖させて作る麹(こうじ)は、一体どのように作られているのかご存知ですか?ここでは、麹(こうじ)の種類の一つである「米麹」ができるまでを例として、ご紹介します。

①お米を洗う

はじめにお米を洗います。ご飯を炊く時のように、水を入れて手でよくかき混ぜ、濁ってきたら水を捨てます。これを水が濁らなくなるまで繰り返しましょう。

濁らなくなったタイミングで綺麗な水に5〜15時間程度浸しておきます。

②水を切る

水につけておいたお米をザルなどであげ、約3時間ほど水切りしましょう。
この時、お米全体が均一に水切りできるように、定期的にかき混ぜることが大切。

均一に水切りされていないと、お米を蒸す際にばらつきが出て、失敗する恐れがあります。最低でも、1時間に1回程度は混ぜて、均一に水を切るようにしてあげてください。

③お米を蒸す

水切りが終わったあとは、お米を蒸し器に移して40分程度蒸します。蒸し終わったあとは、芯が残っていないかお米の硬さを確認しましょう。もし、芯が残っていて硬い場合は、5分ずつ蒸し、こまめに硬さをチェックしていきます。

お米の芯が無くなり、普段食べるごはんよりも硬めに蒸しあがったら次の工程に移ります。

④お米を冷ます

蒸し上がったお米をトレイに広げ、しゃもじを活用し、お米を切るようにして表面の水分と熱を飛ばしていきましょう。

この時、温度計を使いながら、お米が35℃〜45℃になるまで冷ましてください。あまりにもお米の温度が高いと、この後に追加する種麹の麹菌が死滅してしまうので注意が必要です。

⑤種切り

お米が冷めたら、今度は種麹を撒きましょう。この種麹を撒く作業を「種切り」と言います。種麹を撒く時は、お米よりも40〜50センチほど高い位置から撒くことがポイント。

撒き終わったあとは、お米に馴染むようによくかき混ぜてください。この工程を繰り返し、均一に種麹をお米に混ぜ合わせましょう。

⑥培養

種麹を撒き終わったあとは、培養します。種麹をよく混ぜ合わせたお米を、布で圧縮するように包みこみましょう。

包み混んだあとは、さらに毛布に包んだり、発泡スチロール箱に湯たんぽを入れて保温しておくなど、30℃〜40℃の環境で保温しておきます。こたつがある方は、保温の際にこたつを活用しましょう。

⑦切り返し

18時間から20時間程度経過したら麹菌が発芽し、甘い香りが発生します。お米の周りに白っぽい斑点ができるのが特徴的です。

この時、お米をいったん布から取り出して、お米の塊をバラバラにほぐします。ほぐしたあとは再度布で包み込み、保温してください。

⑧盛り
切り返しが終わって3時間から8時間経過した後は「盛り」を行います。まずは、布を開き、お米の塊を手でほぐしながらトレイに移しましょう。

移し終わったらお米を板状になるようにし、布を被せて乾燥させます。このとき、密閉状態にならないよう注意しなければなりません。

⑨中仕事
「盛り」が終わり5時間ほど経過したあとは、「中仕事」と呼ばれる固まったお米を再び手でほぐす作業を行います。

⑩仕舞仕事から完成
「中仕事」の後に2時間ほど経過したら、もう一度お米をほぐします。これを「仕事仕舞」と呼びます。

「仕事仕舞」から3時間ほど経過したら、ついに米麹が完成。完成の目安としては、菌糸がくっつきお米が板状になり、簡単に手でほぐれる状態です。

良い米麹ができたかどうかを見分けるポイントとしては、「栗のような香りがすること」「破精(麹菌の菌糸が米に根ついて食い込んでいるように見えること)が良いこと」などが
あげられます。

完成までは約50時間と手間暇がかかりますが、上手にできた時の達成感は非常に高いものです。

また出来上がった米麹は、塩麹や甘酒に使うなど用途が広く、毎日の食卓で活躍します。ご興味のある方は、ぜひ一度お試しください。

3. 麹(こうじ)で期待できる健康効果について

私たちの身近に溢れている麹(こうじ)を使った食品の数々。この麹(こうじ)を体に取り入れることで、どのような健康効果を期待できるのでしょうか?

続いては、麹(こうじ)を摂取することで期待できる健康効果について3つご紹介します。

3-1. 腸内環境を整えてダイエットや免疫をサポート

麹(こうじ)を摂取すると腸内環境を整える効果が期待できます。

麹(こうじ)には、麹菌と呼ばれる菌が付着しており、酵素を出す働きがあります。

この酵素はハサミのような働きをし、でんぷんを分解してオリゴ糖を生成。オリゴ糖は腸内環境に潜む善玉菌のエサとなるため、善玉菌の数が増えて腸内環境を整えるのをサポートします。

腸内環境が整うと「免疫力アップ」や「ダイエット」などの健康効果が期待できるため、麹(こうじ)は積極的に食生活に取り入れていきたいものの1つと言えます。

3-2. お肌に嬉しいビタミンB群を摂取可能

麹(こうじ)には、ビタミンB2・B6・ナイアシンといったビタミンB群が豊富に含まれています。

ビタミンB群は糖質・脂質・タンパク質など、エネルギー代謝を助ける働きがある重要な栄養素。この働きによって、老廃物の排出を助け、綺麗なお肌へ導くことができます。

3-3. 酵素摂取で消化を助ける

酵素には、大きく分類すると、人の体内に存在する「体内酵素」と、食べ物に含まれる「食物酵素」の二種類があります。

体内酵素には、でんぷんを分解するアミラーゼや、タンパク質を分解するプロテアーゼなどがあり、健康で長く生きていくためには、この酵素が非常に重要。

しかし、体内酵素は一生でつくられる量には限りがあるという研究もあり、食品から消化酵素をとって、体内で消化に使われる酵素を温存することで、代謝にまわせる酵素を潜在的に増やすことが、酵素栄養学では大切と言われています。

麹(こうじ)に付着している麹菌は、酵素を出す働きがあるため、私たちが口にすることで体の中からではなく外部から酵素を摂取することが可能です。

麹を使った食品を、普段から一緒に摂取することによって、食べ物の分解を助け、私たちの健康をサポートします。

4. 乾燥糀を使って塩麹・甘酒・味噌を作ってみよう!

ヤマト醤油味噌では、ご自宅で簡単に塩糀・甘酒・味噌などを作ることができる「乾燥糀」をご提供しています。

ここでは「乾燥糀」が一体どのような商品なのか、そして「乾燥糀」を用いてどのように塩糀・甘酒・味噌を作るのかをご紹介します。

4-1. 乾燥糀とは

提供している「乾燥糀」は、ヤマト醤油味噌の蔵元で製造した糀(こうじ)を乾燥させたものです。

この「乾燥糀」を使うことで、塩糀・甘酒・味噌といった、毎日の食卓に欠かせない調味料を自分で1から作ることが可能。

なかなか自分で作る機会が少ないものだからこそ、1から調味料作りを楽しさや喜びを感じて欲しい、そんな思いを込めております。

ぜひ自分で作った塩糀・甘酒・味噌を食卓で活かし、麹(こうじ)のある生活を送りましょう。

4-2. 乾燥糀でお手製調味料作りにチャレンジ

乾燥糀で作ることができる調味料の中でも、ぜひチャレンジしていただきたいものを「初級編」「中級編」「上級編」に分けてご紹介します。

【初心者編】塩糀作り

使う材料は、下記の通りです。

<材料>

  • 乾燥糀・・・200g
  • 塩・・・70g
  • 水・・・300ml

<手順>

  1. 乾燥糀と塩をボウルに入れてよく混ぜる
  2. よく混ざったら保存容器に入れ常温で保存
  3. 清潔なスプーンで1〜2日に混ぜる
  4. 12日〜14日くらい熟成させて完成

出来上がった塩糀は、野菜に和えたり鶏肉や魚にまぶして使うなど用途がさまざま。使い勝手がよく、お気軽に楽しめます。

【中級者編】甘酒作り

続いて甘酒作りをご紹介します。

<材料>

  • 乾燥糀・・・200g
  • ご飯・・・2合分
  • 水・・・350cc

<手順>

  1. 炊きたてのご飯に水を加えて混ぜ、温度を約63℃〜65℃程度まで下げる
  2. 温度が下がったら乾燥糀を加えてよく混ぜる(混ぜると55℃〜58℃程度に変化)
  3. 炊飯器のふたを開けて布巾などの布で覆い保温する
  4. 10〜12時間ほど保温し、途中で3〜4回程度混ぜて完成

甘酒の発酵に適した温度は55℃から60℃の間と言われています。保温しておく際は、温度管理を小まめにチェックしてみてください。完成した甘酒は冷めてから冷凍保存するのがおすすめです。

またヤマト醤油味噌では、お気軽に麹作りが体験できるよう「糀生活スターターキットカモシコ(KAMOSICO)」をご提供しています。

カモシコ(KAMOSICO)は、炊飯器とは違い発酵調味料作りに特化した保温容器となっているので、温度調整機能やタイマー機能を搭載。

手軽に塩糀や甘酒を作りたいという方は、ぜひ一度お試しください!

【上級者編】味噌作り

最後は上級者におすすめな味噌作りです。

<材料>(約4kg分)

  • 大豆・・・1kg
  • 乾燥糀・・・1kg
  • 種みそ・・・250g
  • 塩・・・400g

<手順>

  1. 大豆を洗い、大豆の3〜4倍以上の水を入れて一晩浸す
  2. 大豆の水気をとり、鍋に大豆と新しい水を入れて火にかける(アクをとり、湯を足しながら柔らかくなるまで3〜5時間ほど煮る)
  3. 清潔なボウルに乾燥糀と塩を入れて下からすくい上げながら、すり合わさるようにして混ぜる
  4. 煮た大豆を熱いうちにザルにあげ、煮汁をよくきる(煮汁はとっておくこと)
  5. 30℃ほどまで冷ました煮汁を乾燥糀と塩を入れて混ぜたものに約450ml程度の水を種水として入れ、30分ほど放置する
  6. 清潔なボウルに大豆を入れ、マッシャーなどを使いペースト状になるよう潰す
  7. 潰した大豆が30℃ほどまで冷めたら、乾燥糀・塩・種水を混ぜたものとよく混ぜ合わせる
  8. 7で混ぜ合わせたものを、おにぎりのように丸め、みそ玉を作って容器に並べる
  9. 容器に並べたみそ玉を押して空気を抜き、これを繰り返す
  10. 空気抜きをした後、表面を平たくし、塩をかける
  11. 最後に容器の内側や縁をアルコールなどで綺麗に拭き清潔にしたあと、重さが均一にかかるよう重石し、新聞紙で覆い紐で縛る
  12. 約半年ほど、直射日光の当たらない涼しい場所に置き高温多湿を避けて熟成させたら完成

上記の作り方に加えて、3ヶ月経過したタイミングで底から返してまぜると、より香りがよく味も美味しい味噌を作ることができます。

味噌が実際に食べられるようになるのは、「仕込みはじめてから約半年後」と時間はかかりますが、挑戦しがいのある調味料作りです。

ヤマト醤油味噌では、味噌作りに特化した「糀部 てまえみそづくり(味噌手作り)キット」も提供しているので、ぜひ一度チェックしてみてください!

4-3. 麹(こうじ)はこんな人におすすめ

麹(こうじ)を毎日食べる食事に一つ加えるだけで、健康で活き活きとした毎日を送ることができる、大切なパートナー。

だからこそ、「自分が口にする食べ物を自分で作ってみたいという人」「親や子供など身近な人に良いものを食べて欲しい人」「不規則な生活をしがちな忙しい人」に、ぜひ食べて欲しい食べ物です。

日々の生活に麹(こうじ)を取り入れ、健康かつ快適な毎日を目指しましょう!

5. まとめ

日本では古くから食べられていた麹(こうじ)。これまで生活していく中で、麹(こうじ)について、深く考えたことは少ないのではないでしょうか?

麹(こうじ)がもたらす健康面へのサポートはもちろん、麹(こうじ)は食べ物の素材を活かし、より美味しく食材を楽しめるよう引き立ててくれる大切な存在です。

改めて麹(こうじ)の存在に気づき、毎日の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。



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店長:山本晴一
地元の酒造会社で修業を積んだのちに家業の「株式会社ヤマト醤油味噌」に入社。 修業時代の吟醸酒づくりにヒントを得た生の醤油「ひしほ醤油」を日本で初めて完成させた。 以来、フランスの三ツ星レストランをはじめ欧米の百貨店からも引き合いを受ける。 その後現在にいたるまで“あたらしい伝統食”を数々生み出している。

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