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2020.09.06
サンフランシスコの「シェパニース」で金沢の可能性を感じる
店長ブログ

1999年に訪れたサンフランシスコの「シェパニース」

出典:アリスのおいしい革命 http://alicewaters.jp/
株式会社NHKエンタープライズ

アリス・ウォータースさんの世界へ

オーナーはアリス・ウォータースさんという女性のシェフです。
ベイエリアの大学町「バークレー」に有るオーガニック食材を調理して出すというのが当時ものすごく新しく、今につながる時代のトレンドを創りだしたお店として有名です。
また、彼女は、近隣のオーガニック農家を応援する為にFarmer’s Market で食材を買うということから始めて、地域の学校給食のメニューを変えるために「Edible schoolyard(直訳すると、食べられる校庭)」と言って、学校に野菜畑を創り、生徒に食材を作り食べるという事を体感する事業を始めたことで有名になりました。

「カリフォルニア料理の哲学はここが最初!」みたいな事を聞いて、じゃあ、是非一度はその原点に直接触れてみたいと思ってトライしてみました!

僕が初めて行ったのは、1999年の頃だったと思うけれど、その直後には「全米で一番予約が取りにくいレストラン」になっていました。
ここも、僕はサンフランシスコでの食品展示会が終わった直後に行きました。
一階がレストランでコースメニュー。二階はカフェでアラカルト!
事前に電話予約でレストランの席を一人分予約!
レストランで独りというのは結構勇気が要るんだなあ・・・
間が保たないよ・・・料理と料理との間がね!
入って一番びっくりしたことは、奥にキッチンが見える手前に食材(主に野菜)がたくさん積んであって、そこに2~3人の料理人が並んで、その野菜をムシャムシャ食べている事!
ええっ!ひょっとしてそれって、今から僕のお料理を作るための材料なんじゃあ無いのか?ってクエスチョンマークが頭の中に一杯です。思わず「何しているの、それ?」って聞いたら、「野菜の味をチェックしている」「味に応じて火を入れる時間や、調味料の量を変えるんだ、そのために皆で味をチェックしている」って言う返事でした。お客さんの前で、今から料理する材料をムシャムシャやるなんて、不思議な感じでしたよ。しかもけっこう真剣にムシャムシャやっています。カリフォルニア流おもてなしか(笑)
出て来たコース料理は、季節の旬の味を活かした野菜の量の多い料理!って感じです。
肩肘張らず、権威的でも無い、無理が無いというか気負いも無い美味しいお料理でした。
でも、食べ始めると、僕は、これも金沢の料亭「金城楼」のコース料理を思い出しました。

場所は違うし、料理も西洋料理と和食ですから、全く別のコース内容です。
でも、なんか似ている=懐かしい味なんですねえ!これが!
最上のお料理って、どこの国も同じように、優しい味です。

アリスウォーターさんの料理から感じた故郷の味との共通点

中庸を行くというか、決して突出した特徴が出たものというよりも、食材の持ち味を活かした優しい味付けという印象が強く残りました。
このシェパニースのお料理が、全米でもトレンドになる注目店の味であることも確認できました。全てオーガニック食材です。天然醸造の調味料や食材です。
でも、そこで僕が感じたのは、とても懐かしい和食と共通する調理哲学でした。

そういう視点から見たら、金沢の“加賀料理”って、ひょっとしたら物凄く素晴らしいお料理なんじゃあないかなあ。

全く引けを取らないし、お野菜の使い方からみたら、加賀料理の方がもっと豊かだなあ、って、米国のサンフランシスコに居ながら、いつも視線は金沢に注がれていて、外から見た“金沢”の魅力に気付かされた瞬間でした。

イヤー、僕の住んでいる街、「金沢」って物凄い可能性を持ってるんじゃあ無いかなあ?そこでご支持を受けて、そこで醸造している醤油とか味噌って、そこに暮らすお客様から、時間をかけてかなりレベルの高い要求をクリアしてきたからこそ、今の時代にも、残って来られたのかなあ?ってチラっと頭をかすめた。じゃあ、その特徴を更に活かしたモノづくりが出来るはず・・・・
金沢ならではの、発酵とか、発酵食品って創り出せたら良いなぁって、想い始めた場所です。

アリス・ウォータース(Alice Waters)
1944年4月28日、ニュージャージー州・チャタムに生まれる。カリフォルニア大学バークレー校でフランス文化を学び、1967年に卒業。その後、ロンドンのモンテッソーリ・スクールで学んだ経歴を持つ。家族には1983年に生まれた一人娘、ファニーがいる。1971年にオープンした『シェ・パニース』は、日替わりのコースメニューが1種類だけというレストラン。1980年には、オープンキッチンの、薪のピザ窯を備えたカフェが2階にオープンし、1984年には同じバークレー市内に、朝食とランチを出す『カフェ・ファニー』を出店した(2012年に閉店)
ヤマト醤油味噌 四代目 山本晴一


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店長:山本晴一
地元の酒造会社で修業を積んだのちに家業の「株式会社ヤマト醤油味噌」に入社。 修業時代の吟醸酒づくりにヒントを得た生の醤油「ひしほ醤油」を日本で初めて完成させた。 以来、フランスの三ツ星レストランをはじめ欧米の百貨店からも引き合いを受ける。 その後現在にいたるまで“あたらしい伝統食”を数々生み出している。

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