3月23日、中目黒駅。桜の名所、目黒川を訪れる人たちで賑わっています。
今回、浮世絵を感じるスープの開発にあたって、ありがたいことに当店の「ひしほ醤油」を使って頂きました。スープストックトーキョーの開発チームから、シェフ須山さんとバイヤーの松尾さんにお話を伺ってきました。
“桜とひしおの花見粥 鰹本枯節と鯛醤(たいびしお)のだしをきかせ、鯛、筍、菜の花を忍ばせたお粥です。淡い紅の春霞に浮かぶ桜を想い、ひしほ醤油の芳醇な香りを閉じ込めたジュレと桜をそっと添えました。”
豆乳を合わせたクリーミーなお粥に、ふっくらして旨味のある鯛の身、コリコリとしたタケノコの食感。見た目から、美しい。
生醤油のジュレに桜の香りがうつって、全体が一体となっています。するっと入るやさしい味。美味しく頂きました。
お二人には、本社にほど近いスープストックトーキョー中目黒店でお話しを伺いました。
<インタビュー本編>
株式会社スープストックトーキョー シェフ 須山さん(左)、バイヤー 松尾さん(右)
―ひしほを選んでくださり、ありがとうございました。直球ですが、何が決め手になりましたか?
(須山さん)金沢で体験して、ひしほ醤油の香りが良い、と思っていたから、いつかこれを活かしたかったんです。
(松尾さん)実はいろんな試作をしながら、ひしほ醤油のスプレーをいつもシュッシュッと使っていたよね。
―ありがとうございます。昨日の番組(「坂上&指原のつぶれない店」)ではもろみの香りのジュレとして紹介されましたね。
(須山さん)そうハッキリと言葉では思っていなかったですけどたしかに自分の感覚と合います。もろみの香り…、山本さんもこれで表現としてはいいですか?
―もちろんです。ひしほの香りは、よく熟成したもろみを搾った、そのままの香りがコンセプトですから。
(須山さん)良かったです。ひしほのこの香りをスープに活かせたらと考えていました。
―春の浮世絵でスープをつくるという開発コンセプトについて聞かせてください。
(須山さん)最初、浮世絵というテーマは巨大過ぎて。富士山や波のイメージはあったけど(笑)最初はそれ以上とっかかりが無かったんです。
そんな中、参考として頂いた画の中に花見を楽しむ人々の1枚があって、
だったら去年開発した桜のスープに、もう1つのテーマである“江戸の味わい”に合わせた江戸野菜を加えたらどうだろうというアイデアから始まりました。
でも、去年の桜のスープはニンニクやアンチョビを効かせたどちらかというと洋の味だったので、江戸野菜を入れるだけだとチグハグな仕上がりになってしまい。。。
(松尾さん) 既にあるスープに、江戸野菜を入れるだけなんてコンセプトが浅すぎると私が猛反対したんです(笑)
(須山さん)考えなおして、この一杯のスープを手にしたときに、ふっとお花見の思い出にふけるような… 友達と集まって楽しかったなーとか、記憶が浮かぶような時間を持てるスープにしようということを考えて、そこからレシピに落とし込んでいきました。
(松尾さん)最初の試作品は「え、おかゆ?」って正直なところ感動がなかったけど、シェフはいきなりギア上げてきたよね。最終の試作品には、白いお粥に、ふわっと透明感のあるジュレ、桜の一輪と、まず見た目に感動がありました。
(須山さん) 最終的には、浮世絵を観に出かけようと思えるようなスープでなくてはならないという着地点があったので。スプーンですくったときに奥行きを表現したかった。鯛やタケノコ、菜の花が後から出てくる。最初の一輪の桜から、次々と春が連想されるというか。
(松尾さん)食べて美味しいというところはもちろん、私は菜の花の緑が葉桜への変化のように思えて、そこにも感動しました。須山得意の味変です。
桜って特別な花だと思うんです。例えばバラは枯れたら悲しいけど、桜は散って、その後に緑が芽吹いてきて、前向きな変化も感じさせてくれる。
―季節を感じられるスープですよね。お店もとても賑わってます。
(スープストックトーキョー中目黒店のスタッフさん)ありがたいです。お花見の帰りに立ち寄ってくださったり、テレビを観てのお客様も結構いらっしゃるんです。
(松尾さん)このままだとタケノコの供給が追いつかないかもしれません(困)おかげさまでありがたい反響です。
―そんなお忙しい中、今日はお時間をいただいてありがとうございました!これからもご一緒できたら幸いです。
中目黒駅前は、夕方からはお仕事帰りの方々もお花見に訪れて、ますます賑わっていましたよ!
「桜とひしおの花見粥」 は、2020年3月23日(月)〜4月10日(金)の期間限定でお楽しみいただけます。
●取扱店舗: スープストックトーキョー 全店(家で食べるスープストックトーキョーは除く)、おだし東京
●販売期間:2020年3月23日(月)〜4月10日(金)予定
※数量限定につき、なくなり次第販売終了とのこと、お早目にどうぞ!
●販売価格:レギュラーカップ590円(税抜き)
●店舗での展開について:2020年3月23日(月)から約1週間、スープストックトーキョーエチカ表参道店、Echika池袋店では店内に桜のディスプレイを展開されています!ぜひ桜とともにお楽しみください。
「桜とひしおの花見粥」を食べて、2020年4月17日(金)~6月7日(日)、森アーツセンターギャラリーにて開催される「おいしい浮世絵展」の出展作品、三代歌川豊国(国貞) の「見立源氏はなの宴」を観に行きましょう~!
<編集後記>
松尾さんと須山さんには、開発会議が行われるキッチンから、開発や販売チームの皆さんをご紹介いただいたり、アート空間のオフィス、店舗まで丁寧にご案内いただきました。松尾さんと須山さんからは本当は商品名にも「ひしほ」を推したとか、このジュレの口溶けと透明感を出すには片栗粉でも寒天でもダメで~とか、醤油の香りをもっと出したいから全面醤油で染めたかった、さらにはフェルメールの絵画が描かれた当時の牛乳の味はこうだったはずだとか撮影秘話まで、色々ここに載せたいお話しが盛り沢山でした。
こうしてプロに香りを認められるのは、製造現場が日々手を抜かない証です。醤油屋としては、こういうときにこの仕事で良かったなあと思うんです。インタビュアー(私)が終始ニコニコしてたのはそのためです(笑)
いつもディスカッションしている息の合ったお二人。この発売初日に来てくれて!とチームプレーでもてなされ逆にこちらが恐縮するくらい。スープも美味しかったけど、心遣いがすごく温かく!!ますますスープストックトーキョーさんのファンになったのでした。ご馳走様でした。いつか金沢にも出店してくださいね!
スープストックトーキョーさんのホームページはこちらです。ぜひお近くのお店へお訪ねください。
https://www.soup-stock-tokyo.com/
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発酵食美人調味料
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店長:山本晴一
地元の酒造会社で修業を積んだのちに家業の「株式会社ヤマト醤油味噌」に入社。
修業時代の吟醸酒づくりにヒントを得た生の醤油「ひしほ醤油」を日本で初めて完成させた。
以来、フランスの三ツ星レストランをはじめ欧米の百貨店からも引き合いを受ける。
その後現在にいたるまで“あたらしい伝統食”を数々生み出している。
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